「うちの子、白ちゃんだったのよ！」そう言って、常連の患者さんが飛び込んできたのです。もう１５年以上前の話です。

「白ちゃん」と聞いて何のことか分かる方いますか？

飛び込んでこられた方は、「白ちゃん」のおばあちゃんでした。

（先週は「マタニティ整体と骨盤整体」についてお話しいたしました。続きのようなお話しです。）

　いきなり飛び込んで来るなり、白ちゃん発言で意味不明の数秒間。。。落ち着いていただき話をよく聞いてみると、産まれてきた「赤ちゃん」が真っ白だったとのこと。何とも信じ難いことですが、赤ちゃんの全身は、白い脂でベットリと覆い包まれていたのでした。

　全く泣きも動きもしなくて、大変だったとか。

　そういえば、結婚したてのお嫁さんを一度整体に連れてこられたことを思い出しました。

「うちのお嫁さん、お医者さんに骨盤ま胃下垂していると言われているの。腰痛肩こりもひどいので、一度見上げて」ということでした。

　確かに。下腹を突き出して、上半身をわずかに後ろに後退させて、弱々しい細い体をゆっくり歩きながら支えていたのを覚えています。下腹部が張って硬くて、辛そうだったことを覚えています。

　さて、産まれたての赤ちゃん。何でも、お医者さんの話では、母体が冷え過ぎていて母親の体内の脂が固まって赤ちゃんに纏わりついてしまったとのことでした。

 冷えた体での妊娠は、お腹の中の子どもに単に冷えが伝わるだけでなく、アトピーや小児喘息などのリスクも高まり、またお母さんの冷えを子どもが受け継いで産まれて来るともいわれています。

　胎児はお母さんのお腹の中だけが、栄養の拠り所、成長の拠り所です。子供へ冷えが伝搬する可能性をできる限り下げるために、妊娠前から個々人の体に応じた〝良いこと″を行い、健康に導くことが必要です。

　今でも妊婦さんや不妊治療を行っている方がいらっしゃると、白ちゃんのことを思い出します。