2020/12/03
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
もはや状態化しているコロナ禍のワークスタイルによって、未だに長く不調を訴える方が多くいらっしゃいます。
なぜ私たちは肩が凝ったり、頭が痛くなったりするのでしょう。
なぜ手足の冷えがなかなか治らないのでしょう。
その答えを2回にわたって、東洋医学の古典の中に求めて解説していきますね。
今回は、人体のエネルギーの流れについて(前編)
整体を始めとする手技療法の古典は、『黄帝内経・素問(こうていだいけい・そもん)』といいますが、その中の「陰陽応象大論篇第五」に人体のエネルギー循環について書かれています。これを超意訳して、説明していきます。
(超意訳)
〇生きているということについて。
そもそも「生きている」ということは、生き物が宇宙・自然の中で、そのエネルギーを受けて生きているということです。
その宇宙・自然のエネルギーの両極のことを「陰」と「陽」といいます。
「生きている」ということは、言い換えればこの「陰」と「陽」という対極のエネルギー同士が、交互に循環し続けていること自体を指します。
これが宇宙・自然の道理であり、万物の変化(成長)の根源です。
例)電気の通電(電場)は、+と-の電力循環
磁場の発生は、S極とN極との磁力循環
=「生きている」ということは、陰気と陽気の循環の様
〇健康について
健康とはどういう状態なのか、考えてみましょう。
健康でいるということは、陰気と陽気の循環が滞りなく行われている状態のことです。
◎健康であるためのエネルギーの循環の姿は「円環」。
すなわち健康であるということは、エネルギーの流れの中に歪みなく、抵抗なく、きれいな円のようにエネルギーが循環している様子のことです。
そしてこの動きが止まったら、「無し」になる。生き物でいえば、死。
〇エネルギーの性質について
次にエネルギーの性質について考えてみましょう。
東洋医学では、エネルギーの性質について、「陰が極まって陽となり、陽が極まってまた陰となる」、といいます。
陰の気は「静」であるので動かず、そのため性質は寒となり、エネルギーが堆積します。
すなわち形あり、収斂(縮む、散布的に位置していたものが一か所に集まる)の働きをします。
自然のなかでは陰の集積したものが「地」です。
陽の気は「動」であるので止まらず、性質は熱となり、エネルギーが変化しています。
すなわち形なく、発散の働きをします。
自然の中では陽の集積したものが「天」です。
「陰が極まって陽となり、陽が極まってまた陰となる。」
これは宇宙・自然の道理なので、地球も夜が極まれば朝になり日が昇り、昼が極まればやがて夜になるということです。
当然人や生き物もそれに同調し、朝になれば目を覚ましエネルギーが躍動し行動する。そして夕方になれば活動も穏やかになり、日が沈むに合わせて眠るようになるのです。
要するに、自然に逆らわず陰陽ニ気のエネルギーを良好に循環させていられれば、健康で生きられるということなのです。
体調が優れない日々が続く人は、時計の時刻とは関係なく、週末の3日間は日が沈んだらなるべく早く寝て、日が昇ると同時に起きるようにしてみてはいかがでしょうか。
体の中の陰と陽の気が、良好にめぐるようになって元気になってくるはずです。
次回は、体調を壊した時のエネルギーの循環についてお話いたします。
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