2020/12/10
前回は陰陽二気のエネルギー循環についてお伝えいたしました。
この陰と陽のエネルギーが良好に循環していることが健康の状態であると、何となく理解していただいたかと思います。
今回は体調を崩すということは、このエネルギー循環がどうなってしまうのかという説明をしていきます。
と、その前に。
先週のコラムを読まれた方から、陽のことは分かるけど、陰のことがわからない。
陽気なエネルギーは必要だが、陰気なエネルギーは必要だと考えられないといわれました。
確かに。確かに。
そう考えてしまうのも当然ですよね。
ここでいっている陰と陽には、良い悪いはありません。
私たちがよく用いる、陰気と陽気ではないのです。
前回例に出した、電極の+-、磁力のS極N極と一緒です。
単なる両極のエネルギーのことを指します。
そして、
静という状態は、止まっていて混じってないから「清」といえます。
動という状態は、動いて混じっているから「濁」といえます。
さて、ここからが今回の本題。
陰陽それぞれ、一気の性質としては、
陽は発散の働きをし、熱があり、動くこと
陰は収斂の働きをし、寒であり、静かであること
そして、この二気が繋がり動き出すということは、
一転してエネルギーの逆転現象が起こる
ということになります。
陰である寒・静・清は、極点に達すると、一転して陽である熱を生じ、濁を生じる。
同時に、陽である熱・動・濁は、一転して冷気を帯びた、清を生じる。
=二気が働き合い生きた瞬間から、陰=濁へ、陽=清へ
となるのです。
ここが今回のポイントです。
天地の間では、陽は清なるものであって天であり、陰は濁なるものであって地であるのです。
自然界では、熱を帯びた地の気が上昇して雲となり、冷気を帯びた天の気は下降して雨となるのです。
このように自然も私たちも、陰陽冷熱の循環を繰り返しているのです。
ですから、私たちの体が不調を生じるときには、
清陽の気が人体の下部に滞ると、お腹が冷えて下痢をするのです。
また濁陰の気が人体の上部に停滞すると、胸から上に熱を帯びて、張ったり凝ったりするのです。
それは、二気がうまく動かず、陰陽の位置が本来あるべき位置と逆になったからなのです。
雲と雨の循環を人体にたとえてみると、
清である陽は、首から上の穴から出ていき、
濁である陰は、下半身の穴から出ていきます。
だから疲れてくると二気の循環が不良になり、
首肩がこり、目鼻耳に異変が生じるのです。
小便過多、不利、生理不順、痔などになってしまうのです。
因みに清陽は、皮膚を充実させて外邪から体を守ります。
濁陰は、内臓に入って内臓をよく働かせます。
つまり良好な二気の循環は、外邪から防衛し、内臓を強めているのです。
このように私たちは、気の循環によって生きているのです。
頭寒足熱とは、よく言ったものです。
疲労によって、頭熱足寒になります。
コリを取ること、冷えを取ることは大事なことです。
そのためには、凝らない循環、冷えない循環を大事に、健康を維持していきましょう。
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